苦悩しながらも、幸せな組織作りを目指した実践事例 第4回(中村朱美氏(佰食屋))
ガイアの夜明けでも特集された、
どんなに売れても100食限定で話題の
中村朱美(佰食屋)氏の著書
「売上を、減らそう。」
(Amazonのリンク https://amzn.to/38nyBQ8 )
より
人が出入りできる余白を作る
余白は無駄なものじゃなくて、必要なもの。
本当の痛みは、変革の前に起きる。
「佰食屋に入社して、初めて子どもと一緒にお風呂に入れるようになった。」
子どもと一緒にお風呂に入りたい。
これは特別な願いなのでしょうか。
もちろん、
仕事内容によってはそれを選ばない道もあります。
ですが、
本当は選べるのに、選べないと思い込んでいるだけだとしたら・・・
飲食業界に働く大方の人に取って、
「子どもとお風呂に入ること」
はあり得ないことです。
でも、
ここにそれを実現している会社があります。
それが佰食屋。
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もともと、
中村さんも普通の飲食業と同じく、開店後がむしゃらに働いてきました。
しかし、
ご長男が脳性麻痺を患っていることが判り、180度考え方を切り替えました。
家族と過ごす時間をなるべく長く確保したい。
そこから逆算し、
働き方をどんどん変えていきました。
会社は何のためにある?
180度見方を変えると、
いろんなことが見えてきます。
会社のために社員は働く。
会社のために生き方を変える、家族に負担をかける。
↓
仕事は、人生を豊かにするためにあるもの。
他人も自分も。
仕事をする会社は、人生を豊かにするためにあるもの。
会社は、社会を豊かにするためにあるもの。
物やサービスを世の中に増やすことが、
豊かさの基準だった時代から、
自分だけの生き方をすることが、
豊かさの基準になった今の社会。
社会が変われば、会社の在り方も変わる。
どう変わったのか。
はっきり言えます。
「社員ひとりひとりが才能を発揮し、自分だけの生き方をする場所」
あなたは痛みがあってから、強制的に変わりますか。
それとも自ら変わりますか。
今の働き方は余白がありません。
今の日本は、人口が減っていく社会です。
つまり、
全体で見れば、必要な物の量は一定(減っていく)ということです。
飲食業は、まさに比例します。
人が食べる量は決まっているのだから、必要な量は初めから決まっています。
必要な量が百食なら、百食以上要らないのです。
登山に行くとしましょう。
2泊3日で、食事は合計7食。
7食以上必要ありますか?
食べないのに持っていけば、
余計な荷物が増えるだけです。
持って帰るか、捨てることになる物を何故持っていくのですか。
それをやっているのが、今の飲食業界です。
一日百食に限定する方が、自然なのです。
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一日の売上を百食に限定すると、
・早く売れれば、早く帰れます。
・仕込みも、準備も量が決まっているので、早く終われば、早く帰れます。
ゴールが約束されているのです。
それに比べ、普通は、
早く仕事が終わったら、新しい仕事が降ってきます。
「あの山を登ったらゴールだ!」
と思ったら、
「まだ上があった・・・」
なんていったら、やる気なくなるに決まってますよね。
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人生は、ひとつの仕事だけで成り立っている訳ではありません。
家の仕事、社会の仕事、子どもとの仕事、遊び、
今の時代、
複数の会社で才能を発揮する人もいます。
動かないゴールがあるから、
人生に余白が生まれます。
次の記事では、
「余白の作り方、余白が生み出す好循環」について見てみましょう。